気づかないフリをしてまた自分の心にフタをする瞼を閉じても明滅する光に僕はなすすべもなく立ち尽くす【フタ】
「泣いてたの?」 「ううん」 小さく顔を振った男の子 涙を手で拭った跡が 愛おしい 寂しかったね 一歩踏み出せば次は・・ 【二歩】
あなたは 歩きだせと 言う。 その 母のように 暖かい てのひら で 僕の頬を たたく。 その胸に 顔を うずめるのは 涙を 流したい から なんだろうか。 【一歩】
【煌き】 ついたり消えたりしていた光は 僕の瞼の裏に 何色に映っていたのか そ~っと瞼を開いて " 確かめたい" そう思った 例えば 0 と 1 のように ただ暗と明だけを感じていたわけじゃない 立ち尽くしていた そう思っていた時間は 事のほか短かく 瞼を開いてふと我に返った僕に 光の明滅は見つけられなかった もはや 明滅していたことさえ忘れてしまっていた フタ? フタって何だ? フタをしていたことさえも忘れて 歩き始めていた僕 僕は 瞼の内側に溜まった涙の煌きを見ていたのだ 【キラメキ】
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「泣いてたの?」
「ううん」
小さく顔を振った男の子
涙を手で拭った跡が
愛おしい
寂しかったね
一歩踏み出せば次は・・
【二歩】
あなたは
歩きだせと
言う。
その
母のように
暖かい
てのひら
で
僕の頬を
たたく。
その胸に
顔を
うずめるのは
涙を
流したい
から
なんだろうか。
【一歩】
【煌き】
ついたり消えたりしていた光は
僕の瞼の裏に
何色に映っていたのか
そ~っと瞼を開いて
" 確かめたい"
そう思った
例えば 0 と 1 のように
ただ暗と明だけを感じていたわけじゃない
立ち尽くしていた
そう思っていた時間は
事のほか短かく
瞼を開いてふと我に返った僕に
光の明滅は見つけられなかった
もはや
明滅していたことさえ忘れてしまっていた
フタ?
フタって何だ?
フタをしていたことさえも忘れて
歩き始めていた僕
僕は
瞼の内側に溜まった涙の煌きを見ていたのだ
【キラメキ】