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痛いくらいに、いとおしく。

  • 2008/12/17(水) 11:18

「ねえ」

「・・・なに?」

「世界中を、いや、この宇宙のすべてを探したとしても、僕の今の気持ちを正確に君に伝える言葉なんて、見つからないと思うんだ。」


「それだけあなたは私を愛してくれてる、って言いたいわけ?」


「いや、別にそういうつもりじゃないんだけど・・・」

「けど・・・?」

「『好き』とか『愛』っていう言葉がすごく小さいもののような気がしてきて。」

「言葉なんてそれを使う人間によって、そしてそれを受け取る人間によって大きくも小さくもなるものよ。」

「君は相変わらずだね。」

「ほめ言葉として受け取っておくわ。」

「でもね・・・それでも、それでも君に伝えたいんだ。この気持ちを僕の中にとどめておくのは、なんていうか、すごく痛いんだ。」


「そりゃ、人間のちっぽけな体の中に、宇宙にも入りきらない想いを入れておけば痛くもなるわよ。あなたは自分だけが苦しんでいると思ってるの?」


「じゃあ、どうすれば?」

「どうしようもないわよ。そんなの。」

「・・・」

「でも、あなたのぬくもりからは、少しだけその痛みが伝わってくるわ。」

「どんな風に?」

「なんとなくよ。」

「なんとなく、か。」

「言葉では絶対に伝えられないことが、なんとなくでも伝えることができれば、それで十分じゃない?」

「そうだね、そうかもしれないね。」

「だから私はあなたといるのよ。」

「・・・」

「なにも泣くことないじゃない。」

「ははは。」

「泣いたり笑ったり気持ち悪いわね。」

「愛してる。」

「・・・」

「愛してるよ。」

「『愛』なんて言葉はちっぽけなんじゃなかったの?」


「言葉は大きくも小さくもなると言ったのは君だろ?」


「そういえば、そうね。」


「今のは?」


「?」


「どのくらいの大きさだった?」


「そうね・・・とても大きかったわ。この胸が、痛むくらいに・・・」


そう言うと


彼女は


僕の胸の中で


少しだけ


震えているようだった。



【痛いくらいに、いとおしく。】

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